エサレンで受けたクラスにインスピレーションを感じて
紘矢さん:スピリットダンスというのは、音楽に合わせて自由に踊るだけの自由ダンスです。もともとカリフォルニア州ビッグサーにあるエサレン研究所(1962年に設立されたニューエイジムーブメント発祥の地。現在はスピリチュアルな教育機関として、多数のワークショップを開催している)で習ったもの。五つの種類に分けて踊る“ファイブリズム”というダンスが学べる、ガブリエル・ロスという女性の先生のクラスを受けたんです。

亜希子さん:彼はエニアグラムか何かを勉強するためにエサレンに行ったのに、帰ったらエニアグラムはすっとんじゃって、僕はダンスをやるって、ほんとうに帰って1カ月もしないうちに始めちゃったんです。
紘矢さん:町田市の玉川学園コミュニティセンターに、ちょうどダンスに適したホールがあったんですね。床や壁は木で、天井には十字架のように大きな梁が通っている。音響設備も整っていて、大きさもぴったり。すぐに予約して2000年の12月に1回目のスピリットダンスの会を開きました。
亜希子さん:駅前にある市の施設で、みんなが来やすくて素晴らしい場所です。
紘矢さん:でも僕は最初、こんな小さいところは、やだなぁと思ったんですよ。サンフランシスコで200人ぐらい入れる体育館で行われた会に参加したこともあったし。でも、ちょうど場所に合った人数が来ますね。ここだと20人ぐらいが集まって踊るのにちょうどよかった。

音楽に合わせて自由に踊るのがスピリットダンス
紘矢さん:スピリットダンスというのは、僕がつけた名前なんです。いいのは、ステップを覚えなくていいところ。音楽も自由。音楽に合わせて自由に踊っているうちに、魂が解放されるんです。
亜希子さん:そう、とにかく自由なのよね。音楽がかかったら、勝手に踊ってっていうのがいい。でもこれは、すごく聖なるダンスなんです。踊る場というのは聖なる場だから、踊っているときは、おしゃべりしないのがルール。そして自分の気持ちを大切にすること。スピリットダンスは、動く瞑想そのものですから、自分の心と体に集中して、ただ踊る。最初は恥ずかしかったり、周囲の目が気になったりするかもしれませんが、夢中で踊っているうちに自分の世界に入っていきます。まさに動く瞑想状態。終わると心も体も浄化されるんです。
紘矢さん:踊っているうちに、自分のパワーが見つかるんですよ。それは、すなわち自分自身を知ることができるということ。ここには、すごくスピリチュアルなエネルギーがあるから、それを自覚しやすいんです。

亜希子さん:私たちがやっている仕事は、すべて自己成長や自己解放といったものですが、その中でも、スピリットダンスはいちばん有効な方法だと思っています。とにかく覚醒が早い。みんなが言うのは「自分は踊れないと勝手に思っている。でも気がついたら踊っているのよね」って。それがパワーなんです。踊っているうちに、抑圧された感情や思い込みから解放されて、自分でパワーを見つけちゃう。だから私たちは何も教えない。何も教えないから、音楽がかかったら勝手に踊ってって。
紘矢さん:自分が工夫して動きたいように動いているうちに、それが自己表現になるんですね。
亜希子さん:私の体験だと自己表現というのは、かなり解放されてから起こり始めます。最初は、ただ動いているだけ。そのうち楽しくなると、いろいろなクリエイティビティが出てきますね。人によっては「私を見て」という感じになりますが、意識としては好きなように踊っているから、見ているとほんとうにキレイなんです。
自分のしたいことを見つけたら卒業
紘矢さん:ここに来て踊って、みんな自由になっていく。そうすると、どんどん卒業していきますね。
亜希子さん:1回で「あっ、わかった」って、その後、来なくなる人もいるし、3、4年来ている人もいるし、いろいろですね。
紘矢さん:自分のしたいことを見つけたら卒業ですね。
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