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『小さな森イスキア』主宰 吉田俊雄(Yoshida Toshio)さん/吉田紀美子(Yoshida Kimiko)さん
欠点だらけの自分を 受け入れてとにかく動く! 【第3話】

よしだ としおさん/よしだ きみこさん

1998年、赴任中の兵庫県姫路市で『森のイスキア』の佐藤初女さんに出会う。2003年に退職後、東京に戻り『小さな森東京』として初女さんの活動をサポート。2011年から被災地支援をスタート。2016年、福岡へ転居し『小さな森イスキア』に。2カ月ごとに集いを開催している。

第2話では『森のイスキア』の佐藤初女さんとの出会いにより、生き方が大きく転換したことを語ってくださった吉田さん夫妻。第3話では『小さな森イスキア』の活動を行うなかで感じる、喜びや難しさについてお聞かせいただきます。そして最後に『小さな森イスキア』のもう一つの大切な活動である、岩手県釜石市での傾聴ボランティア・つながり活動についてもお聞きしました。東日本大震災から間もなく9年。被災地では、いまどのような援助が必要なのでしょうか。

悩みを打ち明けられるとついアドバイスしたくなる

俊雄さん:初女さんは目の前の苦しむ人をどなたでも大切な人として受け入れ、その人の本来の力を信じていらっしゃいました。僕たちも常々そうありたいと思っていますが、信じるというのは、苦しみをともに担うということでもあります。そこでどうしても、その人との距離間の取り方が難しいと感じることがあります。

紀美子さん:昼夜関係なく、たびたび電話がかかってくることもありますからね。そういうかたは人間不信になっていることが多いですから、まずはこちらで忍耐強く受けて信頼関係をつくることが大切ですよね。

俊雄さん:僕の課題としては、悩みを打ち明けられると、相手の人の奥深い気持ちまでは理解できっこないのに、ついアドバイスしたくなる気持ちが心の隅にあることです。課題の分離と言われますが、相手が解決しないといけないことは、こちらが考えてもしかたがないことだとわかっていても、「でも、やっぱり」と思っているときがある。そんなとき、初女さんの言葉を超えた存在感を見習いたいと思うのです。

でも僕もまた、そんな不完全な自分を愛すること、欠点だらけの自分を受け入れることが大事だとわかりました。自分の弱さや欠点、不完全さを抱えながらも、とにかく人のために動く! それが、人を愛する力を育てることに通じるのです。たくさんの出会いのなかで、自分自身が変えられていっていると感じています。

紀美子さん:そう。初女さんも、とにかく気づいたら動きなさいって、おっしゃっていましたよね。ちょっと動くとステージが変わりますものね。見えるものが違ってくると、また自分なりの答えが見えてきます。

俊雄さん:ただ、その答えにたどり着くのは、人間の力だけでできるものではなくて、神さまが働いてくださったと感じることがあります。信仰の力も大きいと思います。

紀美子さん:『小さな森イスキア』を訪ねてくださったかたが「ここだから話せた」と言ってくださったり、帰られるときの顔の表情が来られたときよりも明るくなって笑顔でお別れできたりするのが私たちの喜びです。

よそ者だから話せることもある

俊雄さん:2011年7月からは、カトリックのシスター高木慶子さん(「生と死を考える会全国協議会」会長、援助修道会会員)から声をかけていただいたのを機に、2カ月に一度、3週間単位で東日本大震災の被災地である、岩手県釜石市での傾聴ボランティア・つながり活動を継続しています。初女さんがよく講演に出かけられたように、僕も外で行うイスキアの活動そのものだと思っています。今年で8年が過ぎましたが、この活動も大きなBeingの実践の場となっています。

現在、釜石市の被災の現場ではハード面はととのい、一区切りついた感じはあります。仮設住宅を訪問する活動は、ほぼ2カ月前に終えましたが、皆さんが移られた共同住宅型の復興住宅では、新しいコミュニティづくりを進める段階にあります。住人がなかなか外に出てこられなかったりして、周りと交流のない人も少なくありません。そういうかたたちを個別に訪問し、お話しを聴かせていただいています。

一日に2~4人という感じで、家の中に入れていただきますが、8年という月日が過ぎて、だんだんと関係性が深まってきたと思っています。よそ者だから話せるというのもありますね。ご自身やご家族の悩みや不安について打ち明けられますが、今回は「吉田さんは私たちの家族だと思っています」というお言葉をいただき、うれしい経験をしました。皆さんは震災の辛い記憶をしっかりと抱えながら生きていらっしゃいます。

僕より高齢のかたが多いですが、あるかたはこの間も、はっきりと「見捨てないでね」とおっしゃった。「忘れないでね」とか「いつまで来てくれるの?」とか、そういった言葉を聞くこともあります。

このつながり活動は“いま、ここ”を大切に、相手と向き合い、話を聴く日々を積み重ねていくなかで、8年たっていたという感覚です。いつの間にか、ともに人生を歩んできたのだという感覚でもあります。いつまでつづけることになるのでしょうか。ただ、自分で疲れたからもうやめよう、というふうには考えていません。きっと何か時のしるしがあらわれると思います。もう来なくていいよ、という状況が生まれるまでは初心を忘れずに行こう、そう思って続けています。

『小さな森イスキア』

http://chiisanamori.life.coocan.jp/

撮影/オザキマサキ 取材・文/池田純子

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2 コメント “欠点だらけの自分を 受け入れてとにかく動く!

  1. 初めまして。今回、吉武慎吾さんのフェイスブックで吉田俊雄さんのことを存じた平川菜津希と申します。
    記事を読んで、私が日々ひとに寄り添うとは?傾聴とは?ということについてのヒントを得ることができました。
    ついアドバイスをしてしまったり口を挟んで、ということはしばしばあり、反省することも多いです。
    私もBeingな生き方を意識してみたいと思います。ありがとうございました。

  2. こんばんは🌇
    優しくて思いやり溢れる生き方にしたいなぁと考えていたら 急に初音様の事が浮かびました
    検索すると こちらに繋がりました
    福岡にこんな素敵な活動をされている方がいらっしゃるのかと嬉しい気持ちになりました
    日頃より話しを聴く事の難かしさを感じています 是非 学ばせて頂ければ嬉しいです😃
    今はコロナが収まりましたらお会いしたいです

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