加藤なら何か面白いことを言うと思われているのかな
相談に来る人っていうのは「加藤に聞けば、何か面白いことを言うかな」って思っているのかな。決して人の人生を背負えるわけじゃないけれど、自分の経験の中で、その人に何か言えるぐらいの年齢になっているってことですかね。
相談所を開いているわけじゃないから、僕から相談にのってあげるということはないですよ。たまたま電話で話をしていて「ちょっと八ヶ岳に行こうかな」って。それでやってきて、話をしていると「会社を辞めて、こういうことをしようと思うんだけどどう?」って言われて、ああ、そういうことかと思う。こちらから「たまにはいい空気を吸いに八ヶ岳に来れば?」って、それでやってきて話をすることもありますね。
最初から「相談に行きます」って、はっきり言わなくて、遠慮がちに来る人がわりと多いです。話を聞いて、こちらから救いの手を差し伸べるとすれば、自分の経験から、こういう道があるよね、こんな方法もあるよねって、三つぐらいアイデアを提示する。その中から自分のいいと思ったものを選ぶのがいいんじゃないかなって思っています。
でも相談って不安案件だから、自分の体の中から外に不安を吐き出すだけで、楽になっちゃう。そういうところもあるんじゃないかな。

フィールドを変えたら
一からのチャレンジになる
以前、ラジオ番組の経済コーナーに呼ばれて出演したことがあったんです。番組中に「なんで会社を辞めたんですか」って質問がくるわけ。そのときに瞬間的に答えたのが、サラリーマンも食べ物と同じように賞味期限があると。誰でも仕事で脂がのっている時期はあるけれど、それを越えると燃え尽き症候群のようになる人もいるように、1回ピークにいった人ほど再燃が難しい。それはずっと同じフィールドにいるから、そういう症状になってしまう。フィールドを変えれば、すべては一からのチャレンジになるわけだから、また自分で賞味期限を作れると。
それから「あと数年待てば、退職金が満額出るのに7割しかもらえない、そういう金銭的なことは気になりませんでしたか」という質問もありました。仮に60歳まで勤めると退職金が1000万円もらえる、でも56歳で辞めると700万円。その差は300万円ですよね。ならば自分が56歳で辞めて、60歳まで仕事をしたときに300万円の利益を生むことができるかどうかっていう計算だけをすればいい。3年間で300万円の利益を出せない会社はつぶれますよね。
雇われているときは、会社が賞味期限を決める。でも起業すれば、賞味期限は自分が決められる。どっちを選びますか? という話ですよね。その後、それを聞いた何人かの人から相談を受けたことを覚えています。
